YOCO ORGAN・0081の視点から見る、ローカルシーンを「続けていくこと」と「繋げていくこと」

Interview with 0081 from YOCO ORGAN
インタビュー・テキスト: Spice Up the Life
〈新しい日々ってやつは 本当に待ってる?〉

0081(YOCO ORGAN)の発するこんな問いがひときわ胸に響く《Spice Up the Life》には、猛威を振るう新型コロナウイルス感染症がもたらした異変をいまも肌身で感じているであろう、石川を代表するラッパー/MCたちの生の声が刻まれている。

北陸に基盤を持つミュージシャン/アーティストの活動支援を目的に、この《Spice Up the Life》が有志によって企画されたのは、プロジェクトのリリースから遡ること約4ヵ月前の4月はじめのこと。北陸をベースに活動するアーティストに「今だからこそできる曲を作って欲しい」と依頼したことから始まった。

このプロジェクト自体や、今までになかったコラボレーション体制で制作された《Spice Up the Life》という楽曲、そしてこの状況下で思うこと等について、プロダクションの中心を担ったキーマンであり、石川県を拠点として長く活動するオルタナティヴラップデュオ、YOCO ORGANの0081に語ってもらった。

制作という意味では一番難しい時期に、“Spice Up the Life”のプロジェクトがスタートしました。

――まずは、新型コロナウイルスの感染拡大がはじまってから、YOCO ORGANとしての活動状況など、0081さんから見た今に至るまでの流れを振り返ってもらえますか。

0081 そうですね…いわゆる「コロナの前」で、ライブが普通にできていたのがギリギリ1月。2月できたかどうか?みたいな世界だったと思うんです、感覚としては。それで、3月前半には「(イベントをやっていいのか)どうなんだろう?」という雰囲気が漂ってました

YOCO ORGANとしては、2月末に山中温泉(石川県)でTAKU☆TAKAHASHIさんとかもお呼びしてやる予定だった、地元自治体さんの主催イベント(※キラキラホットフェス feat. 加賀温泉郷フェスin山中温泉)へ出演予定があったんですが、それが初めてYOCOの出演が中止になったイベントでした。当然、報道などで推移を見ていたので「もしかして中止かな?」と薄々思っていたところでしたが、改めて「本当に中止になったんだな」という意味で印象が強かったです。とはいえ、「とにかく状況が分からないし、自治体さんも絡むイベント」というのもあって、しょうがないと理解できるものでした。
その後、3月29日に大阪でYOCO ORGANを冠として組んで頂いたイベント(※スーパーカーVol.2)があったんですが、これもなくなりました。丁度、ライブハウスでの感染報道から、“ライブハウス叩き”が加熱し始めた2~3週間後のタイミングです。

――なるほど。

0081 ただこの二つの中止には違いがあって、大阪はカタチとして「(自主的に)トバした」んですよ。PERUTANI(YOCO ORGAN)とも、「金沢からライブをしに行って、そこで万が一感染を出したりしたら呼んでくれた人たちに申し訳ないよね」という話もして。予定の2日前に、自分たちの方から「ごめんなさい」と辞退したんです。

残念ながら出演キャンセルとなったスーパーカーVol.2

――YOCO ORGANとして初めて中止判断をしたのが大阪のイベントということですね。

0081 そうです。山中温泉の時は、ある種「事情も分かるし、主催者の方から”やむなし”という中止判断を頂いた」ということなので、気持ち的にも納得できるものだったんですが。そういうことじゃなくて、アーティスト側で「(イベントを)やってもいいのか」という風にテンションが変わってきちゃったのが、3月頃のことだったと思います。そのタイミングはすごく覚えてますね。

――そんな中、この企画をスタートして、最初に0081さんにお声をかけさせて頂いたのが丁度その少し後でした。0081さんから見た企画や制作にまつわる経緯など、改めてお話しいただいてもいいですか。

0081 そうですね…初めてこの《Spice Up the Life》のお話を伺ったのは、丁度4月はじめか中旬くらいだったと思います。企画の想いとか、やられたいことについては「なるほど、素晴らしいな」と納得したんですが、一方であの頃は制作という意味で一番酷い状況だった時期なので、録音しようにも集まっていいのかさえ分からない。そもそもレコーディングスタジオも閉っていて、まさに“ステイホーム“の真っ只中だったわけです。

――すいません…。

0081 いえ…(笑)ただ、一番不安だったのは、「参加してよ」って声を掛けようと思ってたメンバーが、音楽に対して前向きな気持ちなのかどうか分からなかったんですよ。正直言って自分たちもテンション下がってたし、「今しかできない曲を作ろう!」みたいな前向きさをみんなが持てるのかどうか、っていう不安がまずありました。

――すいません…。

0081 いえいえ…(笑)でもラッパーのみんなにどんな企画か話をして、そしたら、それぞれ「何かしなきゃ」っていう思いはあったみたいで快諾してくれました。そうやって動き出した感じですね。